GovWatch — 政府審議会の動きを毎日追う、自社開発のツール
公共分野の事業は、審議会や省庁会議で交わされる議論の方向を、いかに早く正確につかむかで成否が分かれます。
私たちはその作業を人手や勘に任せることをやめ、政府審議会・省庁会議の動きを毎日確認する仕組みを自ら作り、案件の中で使っています。名前は GovWatch。2025 年 11 月から動かしていて、いまも β 版として直し続けています。
このページは、その中身を説明するものです。単体のサービスとして提供しているものではありません— 私たちが案件の中で使っている道具です。公共分野の仕事にどう向き合っているかを、実際に動いているものでお示しするために置いています。
何を見ているのか
15 省庁・1,097 会議体を毎日確認しています(2026 年 8 月時点で随時拡大中)。会議体は増減するため、新しく設置された会議も対象に加わります。
見ている先は審議会だけではありません。
- 行政審議会・委員会— 15 省庁・1,097 会議体(2026 年 8 月時点)。議事録 PDF・議事要旨・配布資料
- 国会会議録— 衆参両院の本会議・主要委員会(2020 年〜)
- 法令— e-Gov の公式 API
- 閣議決定— 首相官邸の公表資料
- 予算— 行政事業レビュー 5,794 事業(2021〜2025 年度の実績と 2026 年度要求)、概算要求、補助金公募
- 意見募集(パブリックコメント)— e-Gov と主要省庁の新着
蓄積は会議 18,000 回超(最も古いものは 2001 年)、AI 要約 6,000 件超(2026 年 8 月時点)。会議が公式ページで公開されたあとは、原則として翌朝までに要約が届きます。
議論が「いつ、どう変わったか」を追えます
会議資料を回次のあいだで機械的に突き合わせ、どの文言が追加され、どこが書き換わったかを、根拠となる資料つきで示します。要約を読むのではなく、原文の変化そのものを見る機能です。

文章の要約は、要約した人(または AI)の判断が入ります。差分は入りません。「変わった」と言うためには変わった証拠が必要だと考えているので、この機能を最初に作りました。
調べたことに、必ず出典がつきます
検索欄に単語でも質問文でも入れると、関連する会議を横断して、結論・議論の経緯・背景を整理して返します。そのすべてに、実在する会議と資料へのリンクがつきます。

根拠として使うソースは、審議会 / 国会 / 法令 / 閣議決定 / 予算から選べます。過去へ遡る、続けて質問する、結果を Markdown や Word で出力する(出典一覧つき)といったこともできます。
このほか、1 週間の動きを引用つきでまとめた週次ブリーフ、登録したテーマの新着を毎朝知らせるテーマ速報、締切が近い意見募集や取りまとめが近い会議を一覧する要対応レーダーがあります。
なぜ「もっともらしい嘘」を書かないのか
AI に政策を語らせると、一番危ないのは間違っていることに気づけない答えです。私たちはそこを設計で潰しました。
- 出典のない主張を出力しない。要約も回答も、実在する会議・資料へのリンクを必ず伴います
- 数字を AI に書かせない。予算などの数値は、AI が文章として生成するのではなく、データ側の識別子を指し示す方式にしています。桁を間違える余地を構造的になくすためです
- AI が書いたものには、そう書く。画面上で AI 生成であることを明示し、重要な判断では元データの確認を促します
- 外部の文書に指示が仕込まれていても従わない。読み込んだ資料に紛れ込んだ命令文を実行しないための対策と、リンク先の検証を入れています
これは AI に対する私たちの考え方そのものです。詳しくは私たちと AIをご覧ください。
何を調べたかを、外部に送りません
検索した言葉を外部の解析ツールに送らない設計にしています。
企業にとって「いま何の政策を調べているか」は競争上の情報です。それが第三者のサービスに渡っていく状態は、道具としてあるべき姿ではないと考えました。
あわせて通信の暗号化とアクセス制御を行っています。情報の取り扱いに関する考え方は情報セキュリティ方針に記載しています。
生成 AI に聞くのと、何が違うのか
いまは基盤モデルに聞けば、政策の動向もそれなりの答えが返ります。違いは一つです。その場で探すか、持っているか。
基盤モデルは、質問を受けてから探します。だから「第 7 回と第 8 回で、どの文言が変わったか」には答えられません。両方の資料を手元に持っていて、突き合わせないと出せない答えだからです。
同じ理由で、取りこぼしを申告することもできません。「何を見て、何を見ていないか」は、対象を先に決めて持っている側にしか言えません。

私たちが持っているのは、15 省庁・1,097 会議体という決めた範囲と、2001 年まで遡る 18,000 回超の会議です(2026 年 8 月時点)。だから「このテーマは今週動きがあった」「今週は進展がなかった」を毎朝はっきり言えます。聞かれてから探すのではなく、先に届くという違いでもあります。
もっとも、この状態を保つことが一番手間のかかる部分でした。省庁ごとに資料の体裁が違う。会議体は年度をまたぐと増える、統合される、名前が変わる。出典として示したリンクが、半年後にも生きているかを確かめ続ける必要があります。
仕組みは、作れば持てます。持ったあとに、そこから何を読み取るか— それが私たちの仕事です。
よくあるご質問
Q. どのくらいの頻度で情報が更新されますか?
A. 毎日確認しています。会議が公式ページで公開されると、原則として翌朝までに要約が届きます。画面はいつでも参照できますが、データの更新は 1 日 1 回です。
Q. 過去の会議も調べられますか?
A. はい。会議によっては 2001 年まで遡るデータが蓄積されています(2026 年 8 月時点で会議 18,000 回超)。国会会議録は 2020 年以降です。
Q. 特定の審議会だけを対象にできますか?
A. はい。関心のある会議体だけを選んで購読できます。テーマ(キーワード)単位で毎朝の速報を受け取る設定もあります。
Q. AI の回答が正しいかどうかは、どう確認できますか?
A. すべての要約と回答に、実在する会議・資料へのリンクがついています。原文にあたって確認できる設計です。予算などの数値は AI が文章として生成せず、データ側の識別子を参照する方式にしています。
Q. GovWatch だけを使うことはできますか?
A. 単体のサービスとしては提供していません。私たちが案件の中で使っている道具で、ご支援の一部としてお見せしています。ご関心がある場合はお問い合わせください。
公共分野の案件で、議論の方向をどう押さえるかにお困りでしたら、お問い合わせからご連絡ください。GovWatch でわかることも含めて、具体的にお話しします。
