2024年8月19日 公共ビジネス

公共機関と関わるビジネスの体系(②非入札案件)

・以前、こちらの記事にて、公共機関と関わるビジネスの体系について解説いたしました。今回は、その記事で頭出しした②非入札案件に関して解説いたします。

②非入札案件の流れやポイント

・非入札案件としての公共機関ビジネスはやや曖昧ですが、端的に言うと、「公共機関と絡むが直接公共機関から収益を得るわけではない案件」と定義しています。

・非入札案件は、公共機関のリソース(場所柄、専門人材など)を活用し、(1)公共機関以外から収益を得る既存事業の展開、(2)広報・ブランディング活動、(3)新たな事業構築の3つに大別されます。

(1)既存事業の展開
・企業が既に保持している製品やサービスを、公共機関のリソースを活用して展開し、最終的に住民や来街者などの利用者から収益を得る活動です。

・例えば、「ライドシェアサービスの導入」が挙げられます。ライドシェアサービスの場合は、現状地域ごとの営業規制と関連するため自治体と連携した活動が必要になります。マネタイズは基本的に利用者からの課金です。

・事業者側の活動例は以下です。自治体や地元の合意形成支援なども可能な限りサポートすることが望まれます。
<事業者側の活動例>
・自治体への接触
・住民の利便性向上等、地元の課題解決に繋がるプランとしての提案
・自治体内の決裁や条例変更、法令に定められる合意形成が必要な場合は必要に応じてその支援
・自治体と調整のうえでサービス展開

(2)広報・ブランディング活動
・公共機関と協力しながら、企業が自社の製品やサービス、ブランドの認知度向上を図る活動です。自治体のイベントや地域振興の一環として行われることが主です。

・例えば、「観光促進イベントへの企業協賛」、「地元の学校でのSTEM教育の素材提供」が挙げられます。営業費用がかかる形態となりますが、地域社会に貢献する形で自社のブランドをアピールすることができ、将来的な顧客としての見込み獲得や情報拡散による販促効果が期待できます。

(3)新事業構築活動
・企業が新たな事業モデルや技術を検証するために、公共機関のリソースを活用し、実証実験やフィールドテストを行う活動です。

・例えば、「スマートシティプロジェクトにおける新エネルギー技術の導入」、「地域医療の遠隔医療システムの実証実験」が挙げられます。バイオマス関連の実験であれば「山間部の自治体」、遠隔医療の実証実験であれば「大規模病院から離れた高齢者が多い自治体」など、公共機関の土地条件を確保することが目的になります(ただし、首長などの意向も重要です)。

・企業としては、事業構築に特定自治体の条件を確保することが必要であるため、投資活動として自社負担で活動することが主です(一部、国の補助金活動等もあり)。自治体としては、地域の課題解決や活性化に繋がるという前提で受け入れることになります。

・事業者側の活動例は以下です。こちらも、「①既存事業の展開」と同様に自治体や地元の合意形成支援なども可能な限りサポートすることが望まれます。
<事業者側の活動例>
・自治体への接触
・住民の利便性向上等、地元の課題解決に繋がるプランとしての提案
・活動を進める上での課題洗い出し
・課題に対する対応方針含む全体活動計画を自治体と擦り合わせ
・適宜自治体とコミュニケーションを取りつつ活動を実施

・今回、公共機関と関わるビジネスのうち②非入札案件について解説しました。主に公共機関を自治体と見立てたケースに焦点を当てましたが、政府機関等でも基本的に同様の考え方が適用されます(ただし、自治体のような「土地柄」といった条件はあまり考慮されません)。

・非入札案件を支援するコンサルティングサービスについて関心がございましたらご連絡をお待ちしております。

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